シングリッシュとは
みなさんは ”シングリッシュ” という言語を聞いたことがありますか?
シンガポールで共通語としてよく使われている英語のことで、シンガポールイングリッシュ略して シングリッシュ!ということです。
ではなぜ英語なのにわざわざシングリッシュと呼ぶのか?
それはアメリカ英語やイギリス英語と大きな違いがあるからなんです。
ではまずシンガポールでどんな感じでシングリッシュが話されているのか、下の例を見てみましょう。
シングリッシュの実際の会話
Hi. Do you eat breakfast already?
(こんにちは。もう朝ご飯食べた?)
Hello. Yes, Already.
(こんにちは。もう食べたよ。)
Can go to work now?
(今から仕事に行ける?)
Can can! Let’s go together!
(いけるよ!一緒に行きましょ!)
OK lah!
(いいよ!)
どうでしょうか?
「いやいや!文法メチャクチャやん!」
安心してください。そう感じたアナタはしっかり英語を勉強されています!
これはあくまで一例ですが、この会話を例にシングリッシュの特徴を見ていきましょう。
シングリッシュの特徴
①「Hi. Do you eat breakfast already?」
あれ?過去の話だから過去形じゃないの?Alreadyの位置が間違ってない?と言いたくなりますね。
文法を正すと、「Did you already eat breakfast?」もしくは「Have you eaten breakfast yet?」といったところでしょうか。
そうなんです、動詞は過去形にしなくても通じます!
「already」「tomorrow」「yesterday」などといった時間を表す言葉で時系列を読み取るので、動詞は現在形のままでも伝わるんですね。しかも、時間を表す単語は多少位置を変えてもふつうに通じることがほとんどです。
中国語やマレー語など動詞に過去形が無い言語を母国語とする人々も多いことから、動詞を変化させない英語が結果として多民族国家であるシンガポールに定着したのではないかと思います。
②「Hello. Yes, Already.」
主語が無いよ〜!そして当然のように動詞は現在形。
質問としては「すでに食べたか?」を聞かれているので、 「Already(もう済んだよ)」もしくは「Not yet(まだだよ)」と言えば返事は成立します。
③「Can go to work now?」「Can can! Let’s go together!」
「Can you go〜?」から主語が省略されて「Can go〜?」になっていますね。
明らかにあなた(you)に向けての質問なので、省略されても聞きたいことは理解できるという感覚ですね。
④「OK lah!」
この「lah」(発音は”ラー”)はシンガポールではよく耳にします。”シングリッシュといえば「lah」” といったイメージを持つ方も少なくありません。
この lah には特定の意味はありませんが、語尾につくことによって「〜だよ、だね」みたいなフレンドリーなニュアンスを感じます。会議などのかしこまった場では使いづらいですが、街中でのお店の人との会話などでは問題なく使えます。
由来として一説ではありますが、中国語の文で語尾に「〜了(ラー)」と付くことがよくあるので、そこから英語を話すときも語尾に”ラー”が付いたのではという話もあります。
まとめ
多国籍国家シンガポールという環境下で、まるで「言いたいことが伝わればそれでいい」を追求したかのような共通語、それが ”シングリッシュ” なんだと感じました。
シングリッシュというのは ”変な英語” ではなく ”多国籍国家に対応した究極の共通語” と言えるのでは無いでしょうか。
実際私はこのシングリッシュに触れて、「文法が間違ってても伝わるんだ」と強く衝撃を受けました。
言葉というのは結局伝わってナンボです。
英語を話したいけど「ちゃんとした文法で話さないとダメだろう」「私の英語じゃたぶん伝わらない」と悩んでしまい、なかなか一歩踏み出せないという方は多いと思います。
シングリッシュという言語を知ることで、そんな悩める人たちがもっと気軽に英語をはなせるきっかけになればいいなと願っております。